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関西フィルハーモニー管弦楽団 専務理事 浜橋 元さん

 東大阪市と関西フィルハーモニー管弦楽団は「文化芸術のまち推進協定」を締結しており、文化創造館開館後は年2回の公演を開催します。
 東大阪市への想いなど、関西フィルハーモニー管弦楽団 専務理事の浜橋 元さんにお話をお伺いしました。

浜橋元さん

―東大阪市と関西フィルハーモニー管弦楽団の関係性とは?
 旧市民会館で年1~2回クラシックコンサートを開催して頂いていました。新しい会館を造られるにあたり、文化芸術を通じて、より良いまちづくりのために「文化芸術のまち推進協定」を締結しました。

―関西フィルハーモニー管弦楽団 専務理事を務められたきっかけは?
 私は、お酒や飲料など製造しているサントリーホールディングスの社員で、企業理念の1つ『利益三分主義』に基づき、3年前に関西フィルの理事会社としての支援のため、関西フィルの専務理事という形で出向してきました。クラシックコンサートは趣味として年1、2回聴きに行くことはありましたが、オーケストラとは縁のない仕事していたので業界のことは知らず、この3年間は初めてのことばかりでした。
 関西フィルは1970年に発足し2020年で50周年となりますが、発足した当初から大阪の民間企業が支援して成り立っており、今も関西の様々な企業が支えてくださっているオーケストラです。オーケストラとは、国の助成金や民間企業からの支援がないと、演奏会の収入だけでは成り立たない組織なのです。維持させ、発展させ、関西の文化に貢献しなければ、ということは常々感じています。

―民間企業から出向後、大変だと感じたことは?
 まず、オーケストラが演奏収入だけでは組織が維持できないので、いかにして赤字にしないか、これが一番大変です。
 それから、オーケストラの評価が難しいこと。上手い下手はあるでしょうが、好みもありますし、何が良い演奏なのか、評価が難しい中で「関西フィルに仕事を頼もう」と、どうすれば思ってもらえるのか、それが難しいですね。

―“東大阪市”で、関西フィルが目指すものとは?
 東大阪総合計画審議会で挙げられた問題の一つ、少子高齢化にどう歯止めをかけるのか。「東大阪市にいたい」「東大阪市に住みたい」と思ってもらうには、‘文化の力’がすごく大きいと思います。もちろん生活支援や、子育て支援なども大切ですが、東大阪市に住んで育った人が大学生や社会人になり、一度まちを離れたあと、「子どもの頃に住んでいて良い経験をしたから、また戻ってきたい」と思えるまちにすることが大切で、その良い経験の1つが文化と芸術に触れる機会であり、‘音楽’もその中の1つだと思います。
 小学生時代に、一度はホールでオーケストラを聴いて頂きたい。1人でもそういう子どもが増え、「東大阪市に住んでいて良かった。もう一度住もう」と思ってもらう。‘文化’って、そうして人の心に入っていくと思いますし、関西フィルもそうして地域に社会貢献していきたいです。

―関西フィルの今後は?
 世界に負けないオーケストラになりたい。
2015年にヨーロッパ公演を行いました。クラシック音楽や楽器はヨーロッパで生まれたものということもあり、現地の環境で演奏すると楽器の音が違ったこと、またクラシック発祥の地のお客さんがどう反応するのかを経験し日本に持ち帰ることで、日本での演奏にプラスになりました。やはり、そういった経験は何度かするべきだと思います。
 世界に負けないといことは、日本でトップを目指すこと。そういうオーケストラであり続けないと、誰にも聴いてもらえない。指揮者やソリストにしても、世界の一流の方とも共演して、関西フィルのレベルをアップしていく。そうして、少しでも良い音楽を聴いて頂きたいです。

―文化創造館へのメッセージをお願いします。
 東大阪市、さらには大阪府全体の文化に貢献してほしいですね。そのために、関西フィルが出来ることは精一杯やりますので、一緒に東大阪市を盛り上げていき、ぜひ東大阪市を住みたいまちにしましょう。

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